網膜裂孔/網膜剝離
網膜とは
眼球の内腔を埋める硝子体と接している網膜ですが、加齢などが原因で硝子体は徐々に液化が進行し、何かのきっかけで収縮したり、変性するようになります。これがきっかけとなって起きる病気を網膜硝子体疾患と言い、網膜裂孔や網膜剥離も含まれます。
網膜裂孔とは
硝子体と網膜が強く癒着していると、硝子体の収縮によって網膜が引き裂かれ、亀裂や孔が出来ることがあります。これが網膜裂孔です。中高年の方、近視の度合いが高い方に発症しやすく、またスポーツなどで強い衝撃を受けて引き裂かれるケースもあります。
主な症状
網膜裂孔の代表的な症状は、飛蚊症と光視症です。前者は、眼球の内壁から硝子体が分離することに伴い、硝子体に含まれる線維が漂うため、目の前を小さな蚊・ゴミが飛んでいるように見えてしまいます。一方の光視症は、硝子体が網膜を引っ張る際の刺激が光として認識され、目の前に閃光が走っているように見える状態です。
これらは、特に治療が必要ないケースも少なくないのですが、網膜剥離などに進行する可能性もありますので、専門医を受診し、現在の状態を把握しておくことが重要です。
網膜剥離とは
網膜は硝子体によって眼球の奥の壁にぴったりと張り付いているのですが、何らかの原因で剥がれてしまうことがあります。これが網膜剥離です。網膜裂孔から移行して起こるケース(裂孔原性網膜剥離)が全体の8割以上を占めていますが、糖尿病やぶどう膜炎などに起因するもの(非裂孔原性網膜剥離)もあります。
網膜裂孔・剥離の治療方法
糖網膜裂孔、あるいは網膜剥離と診断された方には、以下のような治療法が行われます。
- レーザー治療
- 硝子体手術
- 強膜バックリング
レーザー治療
網膜の一部にできた裂け目や孔の周囲にレーザー光を照射して網膜を凝固させ、剥離させないように予防する方法になります。網膜裂孔の治療でよく行われます。治療時間は5~10分ほどで、痛みは殆どありません。
硝子体手術
主に、網膜剥離を改善させる目的で行われます。眼球に手術器具を入れ、網膜を引っ張る硝子体を切除吸引すると同時に灌流液を流し込み、特殊なガスを注入して網膜をくっつけるという方法になります。